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うす毛克服 心は前向き

長寿番組「NHKのど自慢」の司会を2年間務め、
今月からフリーになった元NHKアナウンサー
宮本隆治さん(56)。

民放レギュラー番組の司会も決まり、
好調な再スタートを切ったが、
実は、10年以上前から人知れず悩みを抱え続けていた。

「うす毛」である。

久々に会った知人の視線が一瞬、自分の頭に移動する気がする。「人に会うのに気後れするようになります」。
人に会うのが嫌になったこともある。
良い薬やシャンプーがあると聞けば試す。
しかし効果は今ひとつだった。

2001年、東京・西新宿にある「城西クリニック」を受診。
飲み薬や塗り薬などを欠かさず使った。
一進一退の末、
3年ほど前から幾分、毛髪が増え、太くなってきた。

宮本さんも使うフィナステリド(商品名・プロペシア)は、
初登場の飲む発毛剤。
男性ホルモンの作用で進む前立腺肥大症の治療薬だったが、
脱毛を抑える効果が見つかり、男性型脱毛症の薬になった。
日本では一昨年末、医師の処方薬として発売された。
だれにでも効くわけではなく、薬をやめれば効果は消える。
健康保険は使えない。

同クリニックの患者で多いのは20、30歳代。
団塊の世代となると、
「老化現象の一つ」と受け入れる傾向がある。
それでも昨年から、中高年も口コミで徐々に増えてきたという。

ある全国調査では、
抜け毛やうす毛を自認する50歳代男性の55%、
60歳代の44%が、「気にしている」と回答。
くすぶる思いに、医療が火を付けたのか。

「男だから外見を気にするな、という考えもあるが、
髪が戻ると心も若返って、アナウンサー寿命が延びたと思う。
治療も一つの選択肢ではないでしょうか」と宮本さんは言う。

男性で外見の老化を感じさせるのがうす毛なら、
女性はしわやしみ、たるみかもしれない。
美容医療には、様々な手段がある。
レーザーや薬によるしみやくすみ取り、皮膚をひっぱりあげたり、
切ったりしてしわやたるみを取る手術……。

そして最先端の再生医療。心臓など臓器を再生できれば、
提供者不足の臓器移植に頼る必要がなくなる。
これは夢の医療だが、
皮膚や脂肪組織再生の取り組みはすでに始まっている。

横浜市の「セルポートクリニック横浜」は昨年、
あらゆる細胞の元となる「幹細胞」を用いて、
しわ取りや乳房をふっくらさせる治療を始めた。
太ももや腹部から吸引した脂肪組織から、
特殊な技術で幹細胞のみを抽出、
脂肪組織と混ぜ合わせて顔などに注入する。

同クリニックの佐藤克二郎院長は
「幹細胞が血管や脂肪組織として再生する」と説明する。
東大形成外科との共同開発だ。

アンチエイジングネットワーク理事長の
塩谷信幸・北里大名誉教授(形成外科)は
「毛根の再生研究も含め再生医療は試行錯誤の段階。
美容的な治療は、気持ちを元気にする効果もあります。
満足のいく外見を得る治療も重要な研究領域です」と話している。

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